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ワンポイントアドバス

  歯周病と全身疾患
  
糖尿病
  歯周病は、神経障害、網膜症、腎症、心筋梗塞、脳梗塞に次いで糖尿病の第6の合併症と言われています。
  糖尿病の患者さんは、歯周病にかかっている人が多く、重症化しやすいと言われます。また、歯周病があると
  血糖コントロールが難しくなることがわかってきました。
  歯周病で歯茎が腫れると歯周病は、腫れた歯茎から血管内に入り込み全身へまわります。
  歯周病菌のつくる内毒素は、TNF-α という炎症性サイトカインの産生を促します。
  TNF-αは、血管内に流れ込み増加していきます。増加したTNF-αはインスリンの働きを妨げ、血管内は
  高血糖状態となり糖尿病を悪化させると考えられています。
  歯周病になっている糖尿病患者さんの歯周病治療を行ったところ、血液中のTNF-αが減少し、血糖値コント
  ロールの指標であるヘモグロビンA1cの値が改善されました。

  動脈硬化
  動脈硬化は、不適合な食生活や運動不足、ストレートなどの生活習慣の他に、歯周病菌などの細菌感染も要因
  の一つと考えられています。
  動脈硬化を起こした血管の中のプラーク(動脈硬化の病巣)を調べると歯周病菌が検出されるというケースが日本
  でもアメリカでも相次いで報告されました。またアテローム性動脈硬化(コレステロールなどの脂質が動脈内膜に
  かゆ状に沈着したもの)の部分から歯周病菌が検出されるそうです。
  歯周病菌は、動脈内膜に動脈硬化を誘導する物質を産生します。その結果、血管内に脂肪性沈着物がたまって
  血管壁が厚みを増します。血管壁が厚くなると血管の流れるスペースが狭くなり動脈硬化が進行していきます。

  心筋梗塞
  重度の歯周病では、歯周病菌が心臓の栄養血管である冠動脈から見つかる場合が多くみられます。冠動脈で
  動脈硬化がおこると狭心症、心筋梗塞などの虚血性心疾患が発症します。

  脳梗塞
  脳の血管が直接詰まったり、心臓や頸動脈の動脈硬化でできた血栓や沈着物が脳血管に詰まったりして脳梗塞が
  発症します。動脈硬化を原因とする脳梗塞は歯周病とも関係があり、歯周病の人はそうでない人の2.8倍脳梗塞
  になりやすいと言われています。

  動脈硬化、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞の予防には適度な運動、正しい食生活などの生活習慣の改善だけでなく
  歯周病の予防も重要です。

  妊娠・出産
  妊娠中は、ホルモンの影響で歯茎の炎症を起こしやすく歯周病のリスクが高くなります。
  妊婦さんが、歯周病になると低体重児や早産のリスクが高まることが知られています。
  これは、口の中の歯周病菌がつくる菌毒素が血中に入り、胎盤を通して胎児に送られ胎児の健康な成長を
  阻害するほか、その毒素の影響で子宮の異常収縮が起きることが原因と言われています。
  基本的には、妊娠中であってもきちんと歯磨きをして口腔内を清潔に保てば歯肉炎は起こりにくく、起こって
  も軽度ですみます。
  
  誤嚥性肺炎 
  日本人の死因の上位に肺炎があります。
  食べ物や唾液を誤って飲み込んでしまう事(誤嚥)により発症する誤嚥性肺炎にも歯周病が関与しています。
  誤嚥性肺炎の原因菌の多くは歯周病菌などの口腔内常在菌であることから、口腔機能の低下によって食物
  や唾液とともに口腔内常在菌が誤嚥性肺炎を起こすと考えられています。
  口腔内を清潔に保つことで誤嚥性肺炎の発症を減少させることができます。

   認知症
  アミロイドβが脳の海馬を中心に蓄積し脳細胞が圧迫され死滅することでアルツハイマー型認知症が発症します。
  マウスの実験で歯周病のマウスは歯周病でないマウスよりもアミロイドβ量が1.4倍多いことが判明しました。
  また、日本人のアルツハイマー型認知症の人の60人と、性別年齢の近い120人の健常者を比較した研究では
  自分の歯を半数以上失っているとアルツハイマー病を発病しやすいことがわかっています。
  歯周病菌の内毒素の影響や噛むことによる脳への刺激の有無が認知症にかかわっていると考えられています。

  歯周病は、口腔内だけでなく全身の健康にも深く関わっています。
  半年に1度は、歯科で定期検診を受けましょう。
  歯科医院でプロフェッショナルによる歯石・歯垢除去をすること、自分できちんと正しい歯磨きをすることが歯周病
  の予防になります。
  生活習慣の改善とともに口腔内環境の改善を心掛けて健康な毎日を過ごしましょう。